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アルミ鋳物の欠陥を防ぐ!「GBF脱ガス処理」と「ピンホール検査」

おせわになっております、八百谷金属工業株式会社の八百谷でございます。

アルミ鋳物の製造において、製品の強度や見た目を大きく左右するのが「目に見えないガス欠陥(巣穴)」との戦いです。どれだけ精密な型を作っても、溶けたアルミ(湯)の中にガスが残っていれば、不良品の原因になってしまいます。

今回は、高品質なアルミ鋳物をお届けするために、当社が鋳造「前」に必ず行っている2つの重要工程「GBF脱ガス処理」「ピンホール検査」についてご紹介します!

1. アルミ鋳物の大敵「水素ガス」とは?

アルミニウムは、溶けて液体(溶湯)になっているとき、空気中の水分などから発生する水素ガスを非常に吸収しやすい性質を持っています。

このガスをそのままにして凝固(冷却)させると、アルミの内部に小さな気泡となって残り、「ピンホール(ガス孔)」と呼ばれる欠陥を引き起こします。これが製品の強度低下や、切削加工時の外観不良につながるため、鋳造する前に限界までガスを追い出す必要があります。

2. 回転式脱ガス装置「GBF」による脱ガス処理

湯流れ(溶湯)から水素ガスを効率よく除去するために、当社ではGBF(Gas Bubbling Filtration)と呼ばれる回転式ガス吹き込み装置を採用しています。

アルゴンガスで水素を「絡め取る」仕組み

GBFの仕組みは、溶けたアルミの中に回転するシャフト(ローター)を挿入し、その先端から不活性ガスである「アルゴンガス(または窒素ガス)」を微細な気泡として吹き込むものです。

  • 微細な気泡の発生: ローターが高速回転することで、アルゴンガスが非常に細かい気泡となって湯全体に分散します。
  • 分圧の原理で吸着: アルミの中に溶け込んでいた水素ガスは、アルゴンガスの気泡と接触すると、その気泡内へと移動(拡散)します。
  • 浮上・除去: 水素を取り込んだアルゴンガスの気泡が湯面に浮上し、大気中へと放出されます。

同時に、湯の中に浮遊している細かい不純物(介在物)も気泡と一緒に浮上させることができるため、溶湯の純度が劇的に向上します。

3. 鋳造前の絶対条件!「ピンホール検査(減圧凝固検査)」

GBFによる脱ガス処理が終わったら、すぐに鋳造……というわけにはいきません。本当にガスが抜けたかどうかを確かめる「ピンホール検査」を、当社では鋳造前に必ず実施しています。

検査の流れ(減圧凝固法)

  1. サンプルの採取: 脱ガス処理後の溶湯を小さなカップに少量すくい取ります。
  2. 減圧チャンバーへ設置: サンプルを専用の減圧装置(デシケーター)に入れます。
  3. 真空状態で凝固: チャンバー内を一定の真空度まで減圧した状態で、アルミをゆっくり凝固させます。

なぜ減圧するのか?

あえて気圧を低くすることで、アルミの中にわずかに残った水素ガスを大きく膨張させます(お菓子の袋を山の上に持っていくと膨らむのと同じ原理です)。これにより、通常では見落としてしまうような微量なガスでも、あえて「ピンホール」として表面化させることができます。

【合否の判定】 凝固したサンプルの表面がぷっくりと膨らんだり、断面を切断したときに穴(巣)が見つかった場合は「ガス抜け不十分」として再処理を行います。表面が綺麗に凹み(ひけ巣)、断面にも穴がないことが確認できて初めて、本番の鋳造へと進むことができます。

4. まとめ:見えない工程へのこだわりが、高品質な鋳物を生む

アルミ鋳物の品質は、型に湯を流し込む前の「準備段階」で8割が決まると言っても過言ではありません。

  • GBF装置による徹底したアルゴンガス脱ガス
  • 妥協を許さない鋳造前のピンホール検査

当社では、これら一連の品質管理を徹底することで、内部欠陥のない、高強度で美しいアルミ鋳物製品を安定して確実にお客様へお届けしています。

アルミ鋳物の試作・少量ロット量産はお任せ下さい。

4種の製法を活かし、その製品に最適なプロセスでご提案いたします。

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