お世話になっております、八百谷金属工業株式会社の八百谷でございます。
鋳造の砂型にはさまざまな造型方法がありますが、その中でも生産性と強度のバランスが良い方法の一つがCO2砂型鋳造です。
当社では、このCO2造型にアルカリフェノール樹脂バインダーを使用しています。
今回は当社で行っているCO2砂型鋳造においてなぜ砂が固まるのかという仕組みと、アルカリフェノール樹脂を使用する利点について解説します。
CO2砂型鋳造とは
CO2砂型鋳造とは、鋳物砂にバインダーを混合し、その後二酸化炭素(CO2)ガスを吹き込むことで砂型を硬化させる造型方法です。
造型の基本的な流れは次の通りです。
- 砂にバインダー(アルカリフェノール樹脂)を混合
- 型枠に充填して成形
- CO2ガスを吹き込む
- 化学反応により短時間で硬化
この方法の特徴は、ガスを吹き込むだけで短時間に高強度の砂型が得られる点です。

なぜCO2で砂が固まるのか
アルカリフェノール樹脂系のCO2造型では、CO2ガスを吹き込むことで樹脂の硬化反応が起こり、砂粒子同士が結合します。
CO2がバインダーに作用すると、
- 樹脂の化学反応が進行
- 架橋構造が形成される
- 砂粒子同士が強固に接着
という現象が起こります。
この結果、砂粒の間に硬化した樹脂のネットワーク構造が形成され、砂型が固まります。
つまり、CO2砂型鋳造は
ガスをトリガーにした樹脂硬化反応によって砂型を形成する技術
と言えます。

アルカリフェノール樹脂を使用する利点
当社が採用しているアルカリフェノール樹脂には、従来の水ガラス系CO2造型と比べていくつかの利点があります。
① 高い型強度
アルカリフェノール樹脂は硬化後の強度が高く、
- 型崩れしにくい
- 取り扱いが容易
- 重量のある鋳物にも対応可能
というメリットがあります。
② 崩壊性が良い
水ガラス系CO2型は型が非常に硬く、鋳物後の型ばらしが難しいという問題があります。
一方、アルカリフェノール樹脂では
- 鋳込み後に比較的崩れやすい
- 清掃作業がしやすい
という特徴があります。
③ 鋳肌が安定しやすい
砂型の強度が安定しているため、
- 型のエッジが崩れにくい
- 表面欠陥が出にくい
など、鋳物品質の安定にもつながります。
④ 作業性が良い
CO2を吹き込むだけで硬化するため、
- 硬化時間のコントロールがしやすい
- 作業の再現性が高い
- 生産効率が良い
という点も現場で大きなメリットです。
鋳造技術は一見シンプルに見えますが、
バインダーの種類や造型方法の選択が鋳物品質に大きく影響します。
今後も鋳造技術の理解を深めながら、より安定した品質の鋳物づくりを目指していきます。
4種の製法を活かし、その製品に最適なプロセスでご提案いたします。
鋳物のお困りごとがありましたら弊社問合せフォーム迄お待ちしております!



