こんにちは、八百谷金属工業の藤本です。
今回はアルミ鋳物の品質を左右する要素のひとつ「冷やし金」についてです。
鋳造は温度差との戦いでもあり、冷やし金はその温度コントロールの要となります。
適切に配置できれば、巣の低減、ヒケ巣の抑制、寸法安定性など、鋳物品質に大きく貢献します。
◆冷やし金とは
冷やし金とは、鋳物の特定部位を意図的に急冷させるために設置される金属ブロックのことです。
肉厚差が大きい部位や熱溜まりになりやすい部分に使われ、凝固順序を整える役割を担っています。
↓「冷やし金」が入った鋳型

◆なぜ冷やし金が必要になるのか
最も大きな理由のひとつが「ヒケ巣」の防止です。
金属は固まるときに体積が収縮します。もし肉厚の偏りが大きかったり、最後まで溶けたまま残る部分があれば、その周囲とのバランスが崩れて空洞ができます。
これがヒケ巣です。
アルミ鋳物は軽さと流動性に優れる一方で、肉厚差の影響が出やすく、厚肉部ではヒケ巣が起きやすいという特徴があります。
そこで冷やし金を使い、その厚肉部を先に固めてしまうことで、凝固の流れが整い、ヒケ巣の発生を抑えることができます。
冷やし金は目立つ存在ではありませんが、鋳物の内部品質・外観・寸法精度のすべてに関わる非常に重要な道具です。
「どこから固まり始めるか」を制御することで、鋳物全体の健全性が大きく変わります。
「冷やし金」を置く位置は経験と理屈が必要でそれぞれの鋳物屋のノウハウとなります。
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