お世話になっております、八百谷金属工業株式会社の八百谷でございます。
今日は鋳物の収縮率についてお話しさせて頂きます。
金属は液体から固体になる際に凝固収縮を起こします。
一般的に鉄鋳物なら0.8~1%、アルミ鋳物だと1~1.2%程度縮むとされています。
そのために鋳型を作るにに使うマスターモデルは収縮分だけ大きく作っておく必要があります。
アルミ鋳物で100mmにしたければマスターモデルは101~101.2mmに作っておく必要があります。
木型を測った時に鋳物で何ミリになるのかを計算せずに図る為の鋳物尺というものさしもあります。
写真は1.5%収縮を付けたものを測るものです。
この鋳物の収縮ですが、アルミ鋳物の場合は1.0~1.2%程度とされていますが形状によって大きく異なる為に一筋縄ではいきません。
アルミ鋳物を作るときに鋳型に溶けたアルミを流し込みますが当然、凝固が完了するまで脱型はできませんので鋳物は鋳型の中にいます。
その為、鋳型が収縮の邪魔をして思うように縮まない事があります。
これを収縮阻害とと呼んでいます。
形状によっては0.5%ほどしか縮まない物もあります。
そして、背の高いボスの様な形状のものは想定よりも大きく縮む場合があります。
収縮の阻害をするものがなく、なおかつ重力で下へ下へと縮もうとするため1.5%くらい縮むものもざらにあります。
この1%の収縮誤差が100mmの製品では1mmの寸法誤差に繋がってしまいます。
これらを長年の経験から形状を見て予測してマスターモデルに何パーセントの収縮を想定して作成するのかを決定します。
現在ではシミュレーションソフトなどのツールもあるにはあるのですが、量産ならまだしも試作や小ロットの鋳物に使うには時間とコスト、そして色々な条件データの不足から現実的ではありません。
やはり経験から想定することで精度を高めていくというやり方が有効になってきます。
単品鋳物.comを運営している八百谷金属工業株式会社では毎月100種類前後のアルミ鋳物を鋳造しており、その経験から精度の高い収縮予測と、どの程度収縮予測から外れる可能性があるのかという予測まで行い加工代を設定する事により短納期でアルミ鋳物をご提供させて頂いております。
木型の作成、鋳造、機械加工まで一貫して社内生産出来る私たちだからこそなせる事と自負しておりますのでアルミ鋳物が必要な際は是非ご相談頂けますと幸いです。