こんにちは、営業部長の藤本です。
今回は弊社で多数の実績のあるアルミプーリーについてです。
機械部品の中でもよく見かける「プーリー」。
モーターの動力をベルトで伝えるためのこの部品は、工作機械や搬送装置、自動機など、ありとあらゆる産業機械に使われています。
そのプーリー、設計初期段階ではよく「丸棒からの削り出し」で製作されることが多いですが、ある程度の数量が出る場合やコスト削減を考えるなら、「アルミ鋳物」に切り替えるのが断然おすすめです。
今回は、なぜアルミ鋳物でプーリーを作ると良いのか、そのメリットをご紹介したいと思います。

↑加工前のプーリー鋳物素材
削り出しとは?
「削り出し」とは、丸棒材や圧延材(たとえばA5052やA2017の押出材)から、旋盤やマシニングなどで削り出して形を作る方法です。
素材は均質で強度も高く、単品〜少量では手軽に作れます。
しかし、この方法にはいくつかの落とし穴があります。
削り出しのデメリットは?
材料歩留まりが悪い
丸棒から削り出すため、特にプーリーのような中空構造では「真ん中が全部ゴミ」になります。φ300mmの丸棒から削ると、半分以上が切粉になってしまうことも…。
加工工数が多く、時間がかかる
ゼロから削るので、外径・内径・V溝・キー溝・リブなど、すべてを加工する必要があります。段取りや加工時間が増える=費用もかさみます。
数量が増えるとコストが跳ね上がる
10個20個の製作なら問題ないかもしれませんが、50個100個とまとまってくると、鋳物に比べてコスト面で不利になります。
鋳物化するメリットとは
ここで登場するのが「アルミ鋳物」です。
鋳物であらかじめプーリーの形状に近い形(中空、リブ付き、V溝付きなど)を作ってしまえば、その後の機械加工がグッと楽になります。
メリット①材料ロスが減る
鋳物は必要な形状に近づけて作るので、削り代が最小限。切粉の量も圧倒的に少なくて済みます。
メリット②加工時間の大幅削減
例えば、リブ形状が鋳肌で成形されていれば、加工は不要となります。外径も必要最低限の加工代(2~3ミリ)なので加工時間が早いです。
メリット③外観デザイン・肉抜きが自由
鋳物はリブ構造や肉抜きが自由に設計できるため、軽量化・高剛性の両立が可能です。
メリット④数量が増えるとコストメリット大
木型代が多少かかるものの、50個以上の製作であればコストメリットが出ることが多いです。
100個以上なら、加工代を含めても総切削より大幅に安くなることが多いです。
鋳物化を検討すべきタイミング
以下のような条件に当てはまる場合は、鋳物化を本格的に検討する価値があります。
・年間の製作数量が30個以上ある
・切削コストが高くなってきた
・重量を減らしたい(肉抜きしたい)
・設計変更や仕様変更が落ち着いた
まとめ
アルミプーリーを削り出しで作るのは、少量や試作では非常に合理的な手段です。
しかし、数量が増えてくるとコストや工数の面で厳しくなりがちです。
そんな時こそ、アルミ鋳物という選択肢を思い出してください。
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