こんにちは。
営業部の辻川です。
今回はアルミ鋳物への表面処理でよく使われるアルマイト処理でのちょっとした注意点について書いていきたいと思います。
そもそもアルマイトとは陽極酸化処理(聞きなじみのない言葉ですね)のことで、電気を流して金属の表面に酸化被膜を付ける処理のことを指します。
もともとアルミ合金、というかアルミニウムには酸化被膜がありますが、
アルマイト処理をすることで耐食性や防錆性があがるそうです。
ですので屋外での継続使用をする部品などは比較的アルマイト処理をすることがおおいです。
また、アルマイトには色を付着させることもできますので黒アルマイトなどを処理することで鋳物の表面が塗装したように黒色になり、
例えば他部品が黒色ですと、組み上げた際に統一感がでるためそういった狙いでアルマイトされることもあります。
アルマイト処理をする際のあるあるというか注意点の1つですが鋳物を鋳造し、加工した面を含めてアルマイト処理する指示が図面にはよく記載されてています。
しかし、同図面に加工時にヘリサート挿入の指示もあったりすると大変です。
ヘリサートはステンレス製が一般的ですのでヘリサートを挿入したまま
アルマイト処理に出すとアルマイトの前処理で酸洗いの工程があり、ステンレスのヘリサートがボロボロになって使用できなくなってしまいます。
こういった場合は鋳造→加工→アルマイト処理→ヘリサート挿入という工程になり、
加工屋さんが加工とヘリサート挿入を同時にできない、会社間の移動が多くなるためそれぞれ予定が立てにくく納期が増えがちとなってしまいます。
※余談ですが、ヘリサート下穴を開けた状態でアルマイト処理をすると
アルマイトが付着した片肉0.006mm程度でヘリサート挿入時に通りが悪くなり、作業性が悪くなるそうです。意外と硬いんですね、アルマイト。
ヘリサートもアルマイトもそれぞれ狙いがあって設計されていると存じますが
特に超短納期を希望されているときなどはそういった意図しないところで時間がロスされることもあります。
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