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鋳物ガス欠陥の対策

お世話になっております、八百谷金属の八百谷でございます。

アルミ鋳物にはガス欠陥と言われる不良があります。

これはアルミ合金を溶解する際に発生する水素ガスが溶湯に溶け込み、その状態で鋳造するとアルミ鋳物の中に小さな気泡が発生します。

次の画像が水素ガスが溶湯に巻き込まれたまま鋳造した製品の加工面です。

全面に小さな穴があり、強度不足や耐圧性が保てないなどの欠陥に繋がります。

それを防ぐために当社ではアルミが溶けた状態の時に、脱ガス処理と呼ばれる溶湯処理を行っています。

溶けたアルミの中にGBFという次の画像の機械で高純度アルゴンガスを微細な泡にして混ぜ込みます。

すると、微細な泡になった高純度アルゴンが溶けたアルミの中から、上へ上へと炭酸飲料の様に上がってきます。

ガス欠陥の原因になる水素ガスは溶湯に溶け込んでしまい勝手に外へ出ようとはしないのですが、高純度アルゴンは溶湯から外へ出ていこうと上へ上がってきます。

その際に、高純度アルゴンは水素ガスを吸着しながらアルミの溶湯から外へ出ようとしてくれます。

これによって、アルミ溶湯に溶け込んでいる水素ガスを取り除くことが出来ます。

しかし、溶け込んだ水素ガスは目に見えるものではありませんので、本当に溶湯から無くなったのか目視では確認することが出来ません。

そこで出てくるのが次の画像にある「ピンホール検査機」です。

これは、溶湯を減圧した状態で凝固する検査機器です。

もしも、この時に溶湯から水素ガスがしっかり抜けていないとアルミは次の画像の様にカップケーキみたいに膨らみながら凝固します。

しかし、きちんと脱ガス処理が出来て水素ガスが含まれていないアルミ溶湯の場合には次の様にアルミは膨らまずに凝固します。

きれいに脱ガス処理をされたアルミ溶湯で鋳造された鋳物の表面にはガス欠陥は無く、強度も耐圧性にも優れたアルミ鋳物が出来上がります。

最初にお見せした画像と比べてみると差がはっきりと分かります。

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