こんにちは。
営業部の辻川です。
様々なプロセスの作成方法があるなか、鋳物で作る価値はズバリ複雑形状にこそあります。
例えば丸形状のなか側に穴が開いていてその内部にボスが立っていたり、内部の空間が入口より膨れていたりすると鋳物で作る製造難易度が他プロセスより低く、
コストメリットが出やすくなります。
さて、今回はそんな鋳物の内部形状を作るために必要な中子(なかご)とその中子を支える巾木についてご説明します。
アルミ鋳物を作るときに欠かせないのが「中子(なかご・芯)」と「巾木(はばき)」です。
これらは鋳物の仕上がりや品質を左右する、とても重要な部品や構造です。
中子とは、鋳物の中に空洞(中空部)を作るための砂でできた芯のことです。
たとえば、アルミ鋳物の中に通る穴や、軽量化のための空間を作りたいときに使われます。
- 鋳物の内部形状(空洞)を正確に作る
- 製品を軽く、効率的な形にする
中子は鋳型の中にセットされ、溶けたアルミを流し込んだあとに取り除かれます。
砂でできているため、製品内部には残りません。
巾木(はばき)は、中子と鋳型を正しく合わせるための部分のことです。
巾木の部分があることで中子形状が鋳型の適切な位置に設置でき、鋳物の複雑形状を作るアシストをします。
中子には必ず巾木部分が付いており、中子の形状は製品部分を形成し、鋳型の中の巾木部分で中子を支えます。

↑ 鋳型 赤マーカー部が巾木の受け部分です。
↓ 鋳型に中子をセットした状態。 赤マーカー部が巾木部分、水色マーカー部が中子部分です。

砂型をピタッと合わせることで、鋳物精度がよくなり、湯漏れ(溶けたアルミの漏れ)なども防ぎます。
- 中子と鋳型部分を正確に合わせる
- 鋳型の密閉性を高めて湯漏れを防止
巾木がずれていると、製品に段差やズレができたり、仕上げ工程に余分な手間がかかる、ズレがひどいときには製品として使用できないNG品になることもあります。
そのため、巾木の精度はとても大切です。
中子がずれたり、巾木が正しく合っていなかったりすると、
以下のような鋳造不良が起こることがあります。
| 不良例 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 内部の空洞がずれる | 中子の位置ズレ | 中子支持・位置決めの強化 |
| 鋳肌に段差やバリ | 巾木の合わせ不良 | 巾木精度と組型手順の管理 |
| 引け巣・巣穴 | 肉厚不均一 | 中子設計・湯流れ解析による対策 |
八百谷金属工業では、
中子・巾木の設計から鋳造・機械加工・塗装まで一貫対応しています。
長年培った鋳造ノウハウと3D設計技術により、
お客様の図面や要望に合わせた高品質な砂型アルミ鋳物を製作しています。
4種の製法を活かし、その製品に最適なプロセスでご提案いたします。
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