こんにちは。
営業部の辻川です。
前回はAC材の成分について触れましたが、今回はその延長でAC材の機械的性質の一部について触れていこうと思います。
機械的性質と少し難しい言葉が出てきましたが、ザックリ言うとその材質にどの様な特徴があるのかの「指標」です。
・表示項目として合金の中で、粘りがありせん断に強い物、圧縮に強い物、引張の力に強い物などがあります。
wikipediaで検索しても「主な機械的性質の種類」だけでも10種以上あり、ものづくりの奥深さが垣間見えます。

これは砂型アルミ鋳物合金の機械的性質の参考値を記したjis規格です。
この表にも記載があるようにあくまで参考値ですので、この数値から実数値はある程度上下します。
弊社取り扱い材( AC2A / AC4A / AC4B / AC4C / AC7A材 )でいうとAC7Aが圧倒的に伸びがあります。
※質別は熱処理の種類ですので今回は熱処理無しの F で統一。
引っ張り強さと伸びは試験片を引張試験することによって代理計測できます。
鋳造したロットと同じ湯で引張試験用の試験片を鋳造し、それを引張試験機にかけます。
引張試験とは試験片を両サイドから引っ張る機械にセットし、引っ張って試験片をせん断した際に加わっていた力や引っ張った際の試験片の伸びなどを
試験片の直径 / 厚み / 断面積 / 標点距離なども考慮した試験片の耐久値を加味し、計算・計測する試験です。
・・・文章にするとなかなかわかりにくくなりますね。
ザックリ言えば、基準値内の大きさ / 形状の試験片を専用の機械で両側から引っ張り、伸びた数値や引っ張った力を計測する試験です。
また、ブリネル硬さは試験機にセットした試験片に球状の硬い金属を一定の力で押しあてて試験片を凹ませ、
へこんだ表面積を計測し素材の硬さを計測するというものです。

ブリネル硬さの他検査数値への換算表です。
鋳物の硬さはブリネル硬さ試験での計測が一般的なため、なかなか換算することも少ないですが。
これら試験は製品と同じ日に同じ湯で鋳造した試験片を使うことで、「製品と同じ様なもの」を試験にかけることができます。
弊社でもご要望あれば製品と同じロットの湯で鋳造した試験片鋳造~検査まで承っております。

上記写真は弊社協力会社さんからの実際の計測レポートです。
アルミ鋳物の試作・少量ロット量産はお任せ下さい。
4種の製法を活かし、その製品に最適なプロセスでご提案いたします。
鋳物のお困りごとがありましたら弊社問合せフォーム迄お待ちしております!